2015年9月8日火曜日

龍の道と古道(7)古道は最短距離の直線

琵琶湖の東に竜と名のつく地名が東西に一直線に並ぶことを(1)で報告しました。略して「竜神ー竜王ー竜頭ー竜爪」ラインです。
http://otonano-kodaishi.blogspot.jp/2015/08/blog-post_31.html


「竜神ー竜王ー竜頭ー竜爪」ライン by Kanikama

今回はこの不思議な現象を推理してみます。

先ずは「自然現象由来説」が考えられます。地震学の専門家の話では、「まだ確認出来ていない国内の地殻断層はたくさんある」ようです。従って、この東西の「竜の道」に沿って、まだ知られていない地殻の断層とか、地下水脈、鉱脈とか、地質磁場変化等が将来見つかっても不思議ではありません。地震が発生しやすい地殻断層に沿って、古来より龍の名前の付く地名が多いという説もあります。

さて、もうひとつ全く別の観点からも考えてみましょう。「歴史的な人為的な要因で龍の地名が生まれて残った」説です。古代の様々な事件、生活様式、交通路等の背景がいろいろと重なって、長い間かけて人為的に生まれそして今に「竜の道」が残ったという考え方です。

人為的な理由の場合、kanikamaの推理ですが、古代の日本人が利用してきた古道(現代の交通路とは異なる古代の道)と深い関係があると考えています。

古道は、塩を運ぶ道、文化伝達の道、戦乱時に密かに兵士移動をする道などの目的で、東西南北の往来に使われてきました。そして古道の大きな特徴のひとつが、前述したように、出発地と目的地を最短の直線で結ぶ路だったのです。

更に「竜神ー竜王ー竜頭ー竜爪」ラインの付近には幾つもの古道が絡み合っていました。つまり、竜の道は地元の細かい小古道につながる大古道であったのです

下の図は、現在知られている古道である「塩の道」のひとつです。南北の道です。そして、面白いことに「竜の道」と同様にほぼ一直線に並ぶ道です。やはり、古代の人達は、地図上で一直線、つまり最短距離を移動したことがわかります。

そして、東西の「竜の道」と南北の「塩の道」は、竜頭山(秋葉山)で交差しています。なんと、竜頭山は東西南北交通の十字路交差点だったのです。


「塩の道」
国土交通省関東地方整備局HP
正確な地図のなかった古代、いろいろな理由(戦乱時、塩や物資、情報の伝達等)で東西を最短距離で移動したい目的がある場合、先人たちの知恵で龍の名前が付く地名を道しるべとした。もしくは結果として道しるべとして地名を付けた。「竜」のつく地名や山を目印とし、京から東国に、また東国から京に、素早く移動したのでないでしょうか。

つまり、「竜王ー竜神ー竜頭ー竜爪」の東西直線ラインは、今まで知られていなかった東西を最短で結ぶ直線的ルートの古道のひとつであり、同時に道しるべだったのではないかと思われます。

最短ルートを結ぶことが出来る直線の古道ルート。その古道に関する興味深い最近の調査研究と文献について、次回、ご紹介します。

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