古代日本において、「伊勢」は太陽(日)の出づる所。「出雲」は太陽(日)の沈む所です。この太陽の道に沿って 伊勢にも出雲にも「日置」の地名や足跡が多く残されています。
太陽暦、測量などの高い技術を有し、日暦(太陽暦)を扱っていたとされる日置族。今も地名や、神社名、皇室の行事などに名前を残す「日置」。
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冬至の日の出 伊勢神宮 |
また、日置の郷では製鉄や古墳技術も扱っていたことがわかっています。
さて、古代の理系・技術集団であった日置族の子孫たちは、古代のみならず、中世、近世、明治維新でも活躍したようですが、なぜそのようなことが可能だったのか考えてみましょう。
その理由は、彼らの特徴が理系の氏族だったからでしょう。日置族は政治や歴史の表舞台には出てきません。しかしそれが幸いしました。
時代が変わっても、権力者が代わっても、理系技術と理系の思想は、時に学問に、時に武術に必要とされたのでしょう。
稲作にも絹の養蚕技術にも理系技術が必要です。そうして、各地の有力氏族との縁組を介して、そこで別の氏名となり、それぞれの氏族の中興の祖となり活躍したのではないでしょうか。
だから
、現代も氏名は違っていても、日置族の理系DNAを引き継いだ末裔たちは日本に多くいて別姓で活躍していることでしょう。このブログを読んでいる貴方も日置族の末裔かもしれません。
ご承知のように、日本はアジアの中では、なぜか理系がダントツに強いです。2013年1月時点の統計でも、科学系ノーベル賞受賞者は15人で、アジア地区ではぶっちぎりの1位です。2位イスラエル(4人)、3位台湾(2人)、4位インド、パキスタン(各1人)。その他、中国と韓国等は0人です。
(追記: 2016年10月3日時点で、日本人のノーベル受賞者は計25人に増えてます。その中で、文学賞(川端康成、大江健三郎)、平和賞(佐藤栄作)以外の22名は全て科学系の受賞です。つまり日本人のノーベル賞受賞者の約9割が理系です。やはり日本人は理系民族と言えますね。)
なぜ、日本人は同じアジア人の中でもこれほど理系が強いのでしょうか?単純に経済力の差だけではないようです。充分な経済力があり、今や米国への留学生数は日本より断然多い中国・韓国には残念ながら理系の受賞者はほとんどいません。
つまり、ノーベル賞級の高い科学や技術のレベルは、長い歴史の積み重ねが必要です。日本人には古代より、稲作でも絹織物でも土器でも高い品質を追い求める特性があります。
長年の積み重ねが大切で、まさしく「技術大国日本は一日にして成らず」です。
日本人は現代でも、海外との交渉や、目立つ表舞台での活躍、駆け引き等は苦手です。
しかし誠実な性格で、細かい観察が得意です。高い技術やモノに喜びを感じます。
裏返して言えば、駆け引き交渉が苦手、大局観が苦手、こだわりすぎる傾向、とも言えます。これらの特徴が、大陸アジア人や半島アジア人との決定的な違いと言えます。
現代でも「物づくり日本」は、科学技術が得意な理系民族なのです。
そして、それは古代の日置族が持っていた特徴と重なります。
日置族は「技術立国・日本」「理系大国・日本」の元祖でした。
リオのオリンピックでも証明されたように、スポーツの分野でも同じです。パワーよりも技の美しさと完成度、そして技術を大切にします。日本人は文化、生活、スポーツどの分野でも理系のDNAを持つ民族と言えます。文学の分野でも、日本人作家は細かい描写を丹念に観察して描写するのが得意です。
このブログをお読みの皆さんも、現在は別の氏名でも、専門分野は別の文系、経済、スポーツ系でも、古代日置族のDNAを受け継いでいる、日置族の末裔かもしれません。
次回は、より日置族を知りたい方のために、参考図書、文献のリストを紹介します。
https://otonano-kodaishi.blogspot.jp/2015/08/blog-post_28.html